SNSやYouTubeなどコンテンツに触れるうちに、動画クリエイターの道に進みたいと考える方も多いのではないでしょうか。
しかし「動画編集に興味はあるけど、何から手をつけて良いかわからない」「自分に向いているのだろうか」と悩み、最初の一歩を踏み出せずにいるかもしれません。
そこでこの記事では、動画クリエイターのなり方や仕事内容、必要なスキルなどを解説します。気になる将来性や年収に関しても紹介するので、具体的な行動を起こす際の参考にしてください。
動画クリエイターとは?
動画クリエイターとは、動画制作に関わるすべての職業を指し、YouTube・テレビ・映画・CMなどさまざまなメディアで活躍しています。
上記の職種には動画撮影・編集のみならず、作品の企画・提案、音声やCGの追加・編集といった幅広い業務が含まれます。
次から、動画クリエイターにはどのような仕事があるのか、詳しく見ていきましょう。
動画クリエイターの仕事内容
動画クリエイターの業務は、制作系と技術系の2つに分類されます。主な役割や代表的な職種を、以下の表にまとめました。
制作系の動画クリエイターは、映像の企画・構成・演出などを担当し、コンテンツの全体の管理や方向性の決定を行います。一方で技術系クリエイターは、カメラ操作や編集ソフトの利用など、実際の映像の撮影や編集などの技術面を担当するのが特徴です。
それぞれが連携して動画を制作し、視覚的な表現を通して視聴者にメッセージを伝えたり、商品やサービスの認知拡大をめざしたりするのを目的としています。
動画クリエイターになるためのステップ
動画クリエイターの仕事内容を把握したら、次にめざすための具体的な方法を見ていきましょう。動画クリエイターになるには、以下の4つのルートがあります。
- 専門学校や大学に通う
- 制作会社やテレビ局で経験を積む
- 独学で学ぶ
- オンラインスクールを活用する
以下で詳しく解説するので、自分の状況や目標に合わせた最適なステップを見つけましょう。
専門学校や大学に通う
専門学校や大学への通学は、動画クリエイターになるための効果的な方法の一つです。上記の教育機関では、動画制作に必要な知識やスキルを体系的に学べます。
専門学校は、カメラワークや編集技術など、現場で即戦力となるスキルを習得できるのがメリットです。一方で、理論や幅広い知識がカリキュラムに組み込まれていないことがある点や、「向いていない」と感じた場合に軌道修正が難しい点が課題です。
大学では、映像表現の理論や効果など広い視野での知識を深められられる利点がありますが、専門学校に比べると学費と時間がかかるのがデメリットといえます。
制作会社やテレビ局で実務経験を積む
「未経験者歓迎」「研修制度あり」「学歴不問」などの求人を探し、制作会社やテレビ局で働きながら、見習いとしてキャリアをスタートする方法もあります。
現場での経験を通して、動画制作の流れや専門的な技術を吸収できるるほか、人脈を広げられる場合があります。上記の経験は、将来的にフリーランスとして独立する際の強みとなり、動画クリエイターとして活躍の場を広げられる可能性があるでしょう。
独学で学ぶ
無料のオンラインコンテンツや書籍を活用して、独学で動画クリエイターをめざすことも可能です。例えば、YouTubeの動画制作に関する映像を見たり、書籍やブログ記事を読むなどの方法があります。
独学のメリットは、コストが抑えられて自分のペースで学べる点です。一方、スキルを身につけるのに時間がかかるためモチベーションが維持しにくい点や、フィードバックが得られず誤ったた知識が身に付くリスクがある点がデメリットと言えます。
独学で動画クリエイターをめざす際には、自分でしっかりと学習計画を立て、強い意志を持って学習を進める必要があるでしょう。
オンラインスクールを活用する
独学と併用して、オンラインスクールで動画制作の知識を深めるのも効果的な方法です。
オンラインスクールは、場所や時間に縛られずに学べるうえ、業界の最新情報や技術を体系的に習得できます。また、同じ志を持った仲間と交流できる点や、専門知識を持つ講師から直接サポートが受けられる点もメリットです。
一方で、自分のペースで学習を進められる反面、自己管理が求められることや、対面ですぐにサポートが受けられない場合があるなどのデメリットもあります。
そのため、オンラインスクールを選ぶ際は、カリキュラムの内容や費用のチェックだけでなく、無料体験や説明会に参加して自分にぴったりのスクールを見つけるのがおすすめです。
動画クリエイターに求められるスキル
動画クリエイターとして活躍するためには、以下のような幅広いスキルが求められます。
- 創造力・企画力
- 技術的なスキル
- コミュニケーション能力
- マーケティングスキル
動画クリエイターとしての一歩を踏み出すために磨いておきたいスキルを、詳しく紹介していきます。
創造力・企画力
創造力・企画力は動画クリエイターにとって重要なスキルの1つです。具体的には、視聴者を引き込む斬新で独自のアイデアを生み出し、浮かんだ内容を具体的に形にする能力が必要です。
また、クライアントの要望を的確に把握し、限られた予算や時間内で最大の効果を生み出す力も求められます。
創造力や企画力を磨くためには、映画・アート・音楽などさまざまな作品に触れ、インスピレーションの幅を広げるのが効果的です。さらに気になる作品を分析し、そのアイデアや技法を真似てみるのも良いでしょう。
技術的なスキル
撮影技術・編集ソフトが使えるスキルなども、動画クリエイターに必要な能力です。
例えば、動画を撮影する際には、カメラの基本的な操作はもちろん、撮影の構図や照明の知識などを習得しておく必要があります。
また、撮影した動画は編集ソフトを使用して見やすい映像にする必要があるため、編集ソフトを扱えることも大切です。「Adobe Premiere」「After Effects」などの需要が高い動画編集ソフトの使用方法は、マスターしておくと役立つでしょう。
映像とともに重要な音声の編集ソフトも使いこなせると、より高品質な映像を作成できる可能性があります。
コミュニケーションスキル
動画クリエータとして働く際には、コミュニケーションスキルも求められます。
クライアントの要望を把握して映像に落とし込むためには、相手と円滑に意思疎通を図る必要があるからです。また、多くのスタッフがが関わる作品の場合には、さまざまな立場の人とのコミュニケーションが不可欠です。
コミュニケーションスキルに自信がない方は、専門用語を使わずわかりやすい言葉の使用や、相手の話をよく聞き適度に相づちをうつことを心がけましょう。また、相手の気持ちや立場に共感する姿勢を示すと、信頼関係を築きやすくなりコミュニケーションがスムーズに行える可能性があります。
マーケティングスキル
視聴者に響く動画コンテンツを作成するためには、ニーズやトレンドを分析して適切なタイミングで配信する必要があるため、マーケティングスキルが不可欠です。
例えば、InstagramやTikTokなどで動画を配信する場合、それぞれの特徴に合わせた動画の長さや構成を作成する必要があります。また、動画編集のスキルに長けていても、配信のタイミングや視聴者が求める内容とズレがあると、視聴率の向上も見込めません。
マーケティングスキルは、書籍を読んだり、オンライン講座で学んだりすることで身につけられます。また商品を購入する際に、以下の行動を丁寧に振り返ることもおすすめです。
- 商品やサービスの存在を知り関心を持った段階
- 類似商品との価格や機能の比較を行う段階
- 実際に商品を購入する段階
- 商品の使用し、再購入を検討する段階
上記のトレーニングを取り入れマーケティングスキルを高めることで、動画クリエイターとしての活動の幅が広がる可能性があるでしょう。
動画クリエイターに向いている人の特徴
長時間の編集作業やクライアントのやり取りなども必要である動画クリエイターには、以下のような人が向いています。
- 映像を見るのが好き
- トレンドに敏感
- 想像力・探求心が豊か
- 忍耐力・向上心がある
映像作品に対する高い関心があるだけでなく、トレンドを素早くキャッチして時代の流れを読み取る力を持っている人が向いているでしょう。
さらに、豊かな想像力で新しいアイデアを生み出したり、より良い表現方法を模索したりする探求心も必要です。
また、長時間の作業に耐えられる忍耐力や、常にスキルアップを目指して学び続ける向上心がある人も、動画クリエイターとして成功しやすいと考えられます。
動画クリエイターの年収
厚生労働省の職業情報提供サイトjobtagによると、動画クリエイターが含まれる「動画制作」に携わる正社員の平均年収は約550万円、月収は約27万円となっています。
jobtagによれば、動画制作に関わる人の働き方のうち、フリーランスとして働く人が約70%と、正社員の約35%の2倍ほどいるとされています。
フリーランスの場合、スキルや実績によって年収の幅が変動します。人気のクリエイターの場合、1,000万円を超えることもありますが、経験が浅い場合はそれほど高い年収を見込めないかもしれません。
動画クリエイターとして収入を増やすには、動画編集の最新のトレンドや技術を継続的に学び、スキルアップを図る必要があります。さらに、動画編集以外の関連業務に関するスキルも身に着け、収入源を多様化するのも一案です。
動画クリエイターに将来性はある?
動画クリエイターの需要は、今後も高まると予想されます。
以下は、株式会社矢野経済研究所が行った、動画コンテンツビジネス市場規模の調査結果です。
出典:動画コンテンツビジネスに関する調査|株式会社矢野経済研究所
上記の調査によると、2024年の動画コンテンツビジネスの市場規模は、前年度比108.9%の9,880億円に達すると予測されており、市場は今後も成長を続けると考えられます。
というのも、高画質の動画視聴がスムーズに再生しやすくなる5G環境が整いつつあるからです。また、企業や広告における動画コンテンツの需要も増加傾向で、動画クリエイターの活躍の場も広がっています。
AIの登場により、単純作業や簡単な動画であれば比較的容易に作りやすくなっていますが、高度な編集技術やクリエイティブな発想は人間の力が必要とされ続けると予想されます。
動画クリエイターとして活躍するためには、AIに負けないスキルを身に着けておく必要があるでしょう。
自分に合う方法で動画クリエイターを目指そう!
動画クリエイターは、市場の成長にともない活躍の場が広がっているやりがいのある職業です。
動画クリエイターをめざすためには、専門学校・大学への通学や見習いからのスタート、独学やオンラインスクールの活用などさまざまな選択肢があります。
自分に合った方法で動画編集に関する知識を身につけ、めざす分野に応じた経験を積むことが大切です。
さらにマーケティングスキルや営業スキル、高度な撮影・編集技術などを磨いておくと、AI時代に生き残るうえで役立つでしょう。
トレンドを把握しながら常に学び続ける姿勢を忘れずに、焦らず確実にスキルアップを重ねることが成功のカギとなります。